いや、もう私、ぶっちゃけ、ここ、はっきり分かって欲しいと思います!
多くの日本人が「絶対音感」の意味を勘違いしていることを。
歌やピアノなどの楽器が上手な人のことを、よく「あの人は絶対音感がある。」って言いますよね。
あれは間違いです!
「音感がある。」なら正しいでしょうけど、その人に絶対音感があるかは分かりませんし、絶対音感があったとしても、歌うまだったり素晴らしいプレーヤーだったりするとは限りません。
ぶっちゃけ、歌うまと絶対音感は関係ないんです!!
歌うまの条件は?
歌がうまい人のことを歌うまって言いますよね。
では、歌うまの条件って何でしょう?
まずは、正しい音程で歌えるということですよね。
ここがクリアできなければ、歌うまにはなれません。
それから、低い音も高い音も楽に出せるということも大事ですね。
あと、声量があるとか、声がいい、声が響くなど、声のこと。
そして言葉がはっきり分かるとか、表現力、訴える力も必要ですよね。
リズム感やビブラート、しゃくりなどの技術も。
このような歌うまの条件の中で、音感が関係しているのは一番最初の段階の「正しい音程で歌える」というところだけです。
ですから、音感があるというのは歌うまの必須条件ではありますが、それだけで歌うまとは言えないということです。
その「正しい音程で歌える」というのを、もっと細かく分析するとこうなります。
①音程の違いを聴き取ることができる
②聞こえてきた音と同じ高さの声を出すことができる
③違う高さの声を連続して出して、正しい音階にすることができる
これは絶対音感のある人はできると思いますが、絶対音感がなくてもできます。
そもそも絶対音感って何?
「絶対音感」という言葉をよく耳にしますが、そもそも絶対音感とはどんな意味なんでしょうか?
絶対音感とは、比べる音がなくても、聞こえてきた音の高さが分かるということです。
多くの人は体の中に「ドレミファソラシド」という音階がだいたい入っていますから、たとえば最初にドの音を聞けば、それを基準にしてソの音はこれくらいだなと分かります。
このように基準の音があれば、他の音の音程が分かる力のことを相対音感と言います。
これに対して絶対音感がある人は何も聞かなくてもソの音を出すことができるんです。
絶対音感と相対音感の違いについては、こちらの記事に分かりやすくまとめていますので、ぜひお読みください。
絶対音感のメリットとデメリット
絶対音感を持っているってすごいこと、羨ましいことと思われがちですが、絶対音感にはメリットとデメリットがあります。
すなわち、絶対音感があると、歌を歌うのに都合がいいことと悪いことがあるということです。
どんなメリットとデメリットがあるのか、考えてみましょう。
メリット
絶対音感があれば、音を聞かなくても、どの高さの音も歌うことができます。
時々、ミュージカルなどで、一人が前奏なしに歌い始めて、その後伴奏やみんなの歌声が入ってくるということがありますよね。
こういう時は、絶対音感を持っているというのは大きなメリットです。
絶対音感がなかったら、歌い始めたのに、後から入ってくる伴奏とずれちゃったりする恐れがありますよね。
本番のステージでこんなことになったら、かなり恥ずかしいことに。(汗)
また、誰かが歌い始めた時、何調なのか瞬時に判断して伴奏をつけることもできます。
楽器が何もないところで合唱の練習をしなければいけない時も、そこに一人絶対音感の持ち主がいれば、最初の音を教えてくれますから、とても便利です。
合唱の本番の前に、ちょっとどこかで練習するという時に本当に助かります。
デメリット
ですが、絶対音感にはデメリットもあります。
それは移調をして歌うのが得意ではないということ。
カラオケに行って好きな曲を歌う時、自分が歌いやすいようにキーを上げたり下げたりすることがありますよね。
これが「移調」ということです。
たとえば「ドレミの歌」を歌うとします。
「ドはドーナツのド、レはレモンのレ-♪」
階名で言うと「ドレミード ミドミー レーミファファ三レ ファー」ですね。
ちょっと低くて歌いにくいなと思って、1音(2つ)キーを上げたとします。
すると階名はこうなります。
「レーミファ♯ーレ ファ♯レファー♯ ミーファ♯ソソファ♯三 ファー♯」
でも多くの人(絶対音感がない人)には、これが「ドレミード ミドミー レーミファファ三レ ファー」と聞こえるので、何の違和感もなく、キーを上げたり下げたりして歌うことができるのです。
これは「移動ド」という観念です。
ピアノの鍵盤のレから始めてもミから始めても、移動ドにしたら「ドレミード ミドミー」と聞こえるから、最初の音が何であれ、その歌を歌うことができるのです。
しかし!
絶対音感を持っていたら、そうはいきません。
なぜなら「ドレミード ミドミー」ではなく「レーミファ♯ーレ ファ♯レファー♯」と、全然違うメロディーに聞こえるから。
これって、ぶっちゃけ面倒くさい。(汗)
だから、歌うまになりたい人に必要なのは、絶対音感ではなく相対音感なのです!
それがピアノの鍵盤のドからでもレからでもミからでも、「ドレミファソラシド」という音の階段が分かれば、その歌を歌うことができます。
厳密に言えば、ちょっと雰囲気が変わりますけど・・・。
そこは今回は無視しましょう。(笑)
歌うまに必要なのは絶対音感じゃなくて相対音感!
これで分かられたと思いますけど、これから歌うまになりたいと思っている人に必要なのは、絶対音感じゃなくて相対音感なのです。
「自分は音程が今一つなんだよね・・・」と思っている人も、相対音感は確実に育てることができます。
相対音感を育てるには、ドレミファソラシドという音階(つまり音の階段)を体に入れることが大切です。
この階段には、他のところよりも狭い幅の段が2箇所あります。
それはミからファ、シからドの2箇所です。
この2箇所は音の幅が、他のところの半分なんですね。
だから、キーを上げたり下げたりする時に、この2箇所を半分の幅にすれば「ドレミファソラシド」と聞こえることになります。
それで、調によって、シャープとかフラットとか面倒くさいものがつくことになるんですよね。
でも、音程をもっとよくして歌うまになりたいと思っている人は、そういう難しいことは考えず、ただ「ドレミファソラシド」という音の階段と音の幅を体に入れたらOKです!
歌うまになるために相対音感を育てよう!
吉岡裕美ミュージックスクールでは、現在、小学1年生から70代の方までが学んでおられますが、多くの方は、「もっと歌が上手になったらいいなあ。」と思ってレッスンを始められた方達です。
私のスクールにはマニュアルがなく、一人ひとりの現状からレッスンをスタートさせています。
でも、皆さん確実に「ドレミファソラシド」の音階(音の階段)と音の幅の感覚を習得していかれます。
生徒さんの中には、過去に「音痴」と言われたり笑われたりして大きなショックを受け、それ以来、歌を歌わずに過ごして来られた方達が何人もおられます。
でも、その方達は決して音痴ではなく、歌う習慣がなかったために音階が身についていない、また音を聴き取る力やその音を正しく出す発声法が身についていないというだけなのです。
それで、その方に合わせてレッスンをしていき、正しい音程で歌えるようになったら、ぐんぐん自信がつき、さらに上手に歌うために呼吸法や発声、発音、表現力などを伸ばすステップに入っていきます。
生徒さん一人ひとりが「歌が苦手」というコンプレックスから解放されて、笑顔で楽しそうに歌われる姿はほんっとに私の喜びです!
あの、正直なところ、私、自分を歌うまにするのはなかなか難しいのですが、生徒さんの歌の力を伸ばすのだけは得意です。(笑)
レッスンは対面、オンライン、どちらでもOKです。
今、もっと歌うまになりたいと思っておられたら、どうぞこちらからお問い合わせください。
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