学校で合唱の練習をした時、友人や同僚とカラオケに行った時、「自分は音痴だからつられるし、ハモれない。」と落ち込んだ経験がおありですか?
今回紹介した対策と練習法を実践することで、あなたの「つられる」、「ハモれない」悩みは解消し、自信を持って友達と音楽をすることができるようになります。
それから、つられたりハモれなかったりするからと言って、音痴とは言えませんよ。
私はこの方法で、たくさんの人の音感アップに成功してきました。
「つられる」「ハモれない」を改善する対策はこれ!
声をよく聴いて歌う
自分のパートを一生懸命に練習して歌えるようになり、「これで大丈夫!」と他の人と合わせてみたらつられてメロディーになっている・・・。
なぜか、男性にこのパターンは多いです。(汗)
中には、自分がただのメロディーになっていることに気づかずに歌っている人もいます。
「ええーっ?!あれだけ練習したのは何だったの?」と思ってしまいます。(泣)
こういう人は、歌っている自分の声も周りの声もよく聞こえていません。
とにかく歌うことに一生懸命で。
そんな時は小さい声で、周りの声を聞きながら、そして自分の声は頭の中で聞きながら歌ってみましょう。
もし、ハモりのパートを正しく歌える人が近くにいるなら、その人に斜め後ろから歌ってもらい、その声に合わせて歌いましょう。
和声感を育てる
「つられる」や「ハモれない」を改善するためには、和声感を育てる必要があります。
主なメロディー(主旋律)以外に他のメロディー(副旋律)がある場合には、必ずそこに和音、つまりハーモニーが存在します。
「ハモる」というのは文字通り、ハーモニーを作るということですから。
ただメロディーだけ歌っても、伴奏があるなら、そこに和音が生まれます。
自分はハモりたいけど、近くでメロディーを歌う人につられるということは、その和音を感じることができずに、自分の歌うパートをただ1本の旋律(音のつながり)としてしか意識していないということです。
つられるからと耳をふさいで歌う人がいますが、これでは和音を作ることができないので逆効果です。
「つられる」「ハモれない」を改善する練習法
和音の中から1音を聴き取る練習
私は中学校の音楽教師をしていた初期の頃、合唱練習でパート練習をし、男子も上手に歌えるようになったのに、合わせるとメロディーになっているということの繰り返しに頭を悩ませていました。
声ならつられるから、リコーダーで自分のパートを練習させて合奏をして和音を感じてもらうとかいろいろやっていました。
その後、私は「分離唱」という和音から一音を聴き取る練習法に出会いました。
分離唱というのは、3音の和音をピアノで弾き、その中の上でも下でも真ん中でも聴き取り、その音を歌うことができるようになる方法です。
これは、今は亡き佐々木基之さんが考案された方法で、私の住む熊本にこの方のお弟子さんがおられたので、私はその方のもとに通って、分離唱を勉強しました。
佐々木基之先生は本も出しておられます。
当時、私は小学校の音楽専科をしていましたが、全ての学年の授業の始めに分離唱を取り入れました。
すると子ども達は驚くほど和声感が身につき、毎月、全校で歌う「今月の歌」を自由にハモって歌うようになりました。
この様子を見られた担任の先生方はすごく驚いて、「カルチャーショックを受けた。」と言われていました。
私が指導している少年少女合唱団でも分離唱をやっていたので、パートの音取りをする時に、パート練習はほとんどしません。
いつも全部の音の中で自分の音が出せるように練習しています。
佐々木先生によると、赤ちゃんの頃は誰でも和音の上・中・下が平等に聞こえるのだそうです。
でも大人になるにつれ、高い音しか聞けなくなるということでした。
それで、小中学生は割と簡単に、分離唱を取り入れることで和声感がぐんぐんと育っていきました。
大人は純粋に和音を聴かず、「この音はドだから真ん中の音はミで・・・。」などと考えたりするので、なかなか子供のようにはいきませんが、それでも分離唱を続けることで、確実に和声感が身につき、ハモることができるようになります。
分離唱は3つの音をピアノで連続して叩き、指導者が指で上か下か真ん中かを示して、その音を聴いて歌うというものですが、自分でする時は、ピアノで3音(または2音)を同時に弾き、しっかり聴いて一つの音を歌うという練習をしてください。
慣れると、どの和音のどの音も簡単に聴き取れるようになってきます。
基本のハーモニーを感じる練習
基本の和音を作る練習
基本の和音はⅠ度とⅣ度とⅤ度です。
「ドミソ」「ドファラ」「シレソ」の3つですね。
「ドファラ」「ファラド」など、並び方が変わっても和音は一緒です。
これが基本の和音ですが、ハーモニーを作る練習をする時は、下・真ん中・上のメロディーを「ドレドシドー」という具合に横の旋律として覚えてもだめです。
「ドミソ」「ドファラ」「シレソ」という縦のかたまりで、一つひとつ和音を作っていき、その響きを聴きます。
ハミングで練習すると響きがよく分かります。
音が合ったらとても気持ちいいです。
その気持ちよさを覚えれば、合っていない時は反対に気持ち悪いので、何とか気持ちよくなろうと自然に声が調整されるようになります。
倍音を導く練習
合唱団の練習をしている時、時々、「じゃあ、倍音さんに来てもらいましょう!」などと言うことがあります。
子ども達を2つのグループに分け、1つのグループに「アー」でドの音を歌わせます。
もう一つのグループはそれを聴いてソの音で「アー」と伸ばします。
上手くハモると、誰も歌っていないのに高いドの音が聞こえてくるんです。
初めてやった子どもはびっくりです。
「え?誰?」
誰も歌っていないのに、確かに誰かが歌っているような高い声が聞こえる・・・。
これが倍音です。
意外と、ハ長調でするよりもニ長調でする方がうまくいきます。
ニ長調はピアノでレとラの鍵盤を弾いたら「ド・ソ」になります。
簡単な曲でハモる練習
和音の基礎ができてきたら、簡単な曲か曲の一部でハモる練習をしましょう。
例えば「キラキラ星」。
だれでも聞いたことがありますよね。
「キラキラ星」はⅠ度とⅣ度とⅤ度だけで歌えるので(複雑でかっこよくすることもできますが)、友達とハモる練習をしてみましょう。
友達にメロディーを歌ってもらって、よく聞きながらハモりを入れてみてください。
スマホで録音して聴いてみると、ちょっと合っていないところなどが分かりますので、そこを何度も練習しましょう。
ZARDの「負けないで」もいいですね。
「負けないで」のサビのところだけをハモって、他はメロディーを歌いましょう。
歌詞も自分を励ましてくれて、意欲アップにつながるかもです。
また、SMAPの「夜空のムコウ」もおすすめです。
こちらはヤマハ「ぷりんと楽譜」の2部でハモれる楽譜です。
普段からよく聴く
それから、普段から音をよく聴く習慣をつけましょう。
勉強中や仕事中にBGMを流す人は多いと思いますが、たまには作業の手を止めて音楽に集中してみましょう。
歌だけではなく、楽器だけの曲も聴いてみましょう。
いろんな楽器がいろんな役目を果たしているのが分かります。
好きな曲だったら、つい歌いたくなるかも知れませんが、たまにはしっかり聴いてみましょう。
歌いたくなったら、少し小さい声で、曲をよく聴いて、メロディーを歌手に合わせて歌うとか、ハモってみるとかしましょう。
音痴だからつられる・ハモれない訳じゃない!
「人と一緒に歌うとつられるし、ハモれない。自分は音痴だから。」と思っておられますか?
いいえ、そういうことはありません!
だいたい、つられるとかハモれないと分かっている時点で、あなたは音痴ではないと思われます。(笑)
過去に人から「音痴」と言われ、傷ついた経験をお持ちの方もおられるかも知れませんね・・・。
でも大丈夫です!
簡単な練習によって、「つられる」や「ハモれない」問題は解決します。
音痴については、こちらの記事で説明していますから、どうぞご覧ください。
まとめ
今回は、「つられる」「「ハモれない」と悩んでおられる方のために、解決のための対策と練習法をご紹介しました。
ここに紹介した対策と練習法を実践することで、あなたの「つられる」「ハモれない」悩みは解消し、自信を持って、友達と音楽を楽しむことができるようになりますよ。
まず、音を聴くことから始めましょうね。
今回紹介した「分離唱」やその他のレッスンを実際に受けてみたいと思われたら、下のお問い合わせからご連絡ください。
吉岡裕美ミュージックスクール熊本では無料体験レッスンも行っています。
この記事へのコメントはありません。