ブルグミュラーってどんな人?その生い立ちと生涯について!

私が子供の頃から、いいえ、それよりずっと前から、日本でピアノの練習と言えば、「バイエル」の次は「ブルグミュラー」が定番でした。今でも、ピアノを習う子供も大人も、多くの人が「ブルグミュラー」を通りますよね。ピアノを習う私達が「ブルグミュラー」と言うのは「ブルグミュラー 25の練習曲」のことです。子供の頃、「ブルグミュラー」というのは曲集の名前で、それが作曲者の名前だとも知りませんでした。「ブルグミュラー」にはそれぞれの曲に、その曲にふさわしいタイトルが付いていて、ただの教本ではない、ピアノを弾く喜びを私達に与えてくれます。子供の頃に練習した曲を大人になった今弾いても、とても魅力的です。「時代を超えて、こんなにも私達を惹きつける曲集を作ったブルグミュラーってどんな人なんだろう?」そういう疑問が沸いてきました。それで、ブルグミュラーの生い立ちと生涯について、そして「25の練習曲」の背景について調べてみました。

ブルグミュラーの生い立ちについて

ブルグミュラーは 1806年12月4日にドイツのレーゲンスブルクで生まれました。

本名はヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラーです。

1806年というと、日本では江戸後期、世界では神聖ローマ帝国が滅びた年です。ブルグミュラーの父親はオルガン奏者で指揮者のヨハン・アウグスト・フランツ・ブルグミュラーでデュッセルドルフ市音楽監督になった人です。母親は歌手でピアノ講師だったようで、兄はチェロやピアノの奏者でした。ブルグミュラーの生い立ちは豊かな音楽とともにあったということが分かりますね。

ブルグミュラーの生涯

音楽家の両親のもとで育ったブルグミュラーですが、17歳にして父親を亡くします。そして、ピアニストやチェリスト、音楽教師として過ごし、作曲家としてチェロ協奏曲を作ったりもしていました。そんなブルグミュラーですが、26歳の時に一人でフランスのパリに移りました。当時、パリではリストやショパンが活躍を始めていました。ブルグミュラーは作曲家としてバレエ音楽を手がけ、高い評価を得ましたが、その後、ピアノ教師として評判になり、国王ルイ=フィリップ1世の子どもたちのピアノの先生にもなりました。ブルグミュラーは32歳の頃に「はじめてのピアノ教本」を出版しました。この教本には、初めてピアノを習う人のために楽譜の読み方や基礎的な練習曲、易しくて楽しめる小品などが載っています。そして、1851年、45歳の時に最も有名な「25の練習曲」を出版しました。その後に「18の練習曲」「12の練習曲」も作っています。どの曲集にも全ての曲にタイトルがついているところが、ピアノを練習する者にとってはとてもありがたいですね。そして 1874年2月13日、67歳で生涯を閉じました。ブルグミュラーが作ったピアノ曲は600曲とも言われています。ブルグミュラーはきっと、自分の名を後世に残したいという野望を持っている人ではなかったのでしょう。それよりも、ピアノを始める人達がどうやったら楽しんで力を伸ばすことができるか、それを一番に考えていた方だったのだろうと思います。

ブルグミュラー25の練習曲が生まれた背景

「ブルグミュラー 25の練習曲」が生まれた背景について、私なりに考えてみました。

産業が発展し文化芸術活動が花開いた都パリにいた

若いブルグミュラーがやって来た当時のパリは産業が発展し、芸術を楽しむ雰囲気に満ちていました。ピアノを始める人も多く、多くのピアノ曲集が作られていたそうです。そういう中で、当時好まれていた音楽のエッセンスを取り入れた「25の練習曲」は人々に受け入れられ、パリで出版されました。翌年にはドイツでも出版されたそうです。

作曲家でもありピアノ教師でもあったブルグミュラー

ブルグミュラーは「25の練習曲」を出す前に、既にバレエ音楽の作曲家として有名になっていました。彼はバレエ界からも受け入れられ、また国王からフランス帰化許可状が与えられたのだそうです。でも一方、ピアノ教師であった彼は、自分の生徒さん達の様子を見ながら、「どんな風に練習していったら楽しく力をつけることができるかな?」と考えたのでしょうね。そして自分で、ピアノ初心者のための曲集を作った。どんなにすごい作曲家あるいは奏者だったとしても、初心者のことを知らなければ、そして関心がなければ、こんなに愛され続けるピアノ曲集を作ることはできないでしょうね。また「25の練習曲」には、自身で作曲したバレエ音楽の要素も入っているのだそうです。

前の段階の教本を既に出版していた

上にも書きましたが、「25の練習曲」ができる10年以上前に、ブルグミュラーは「はじめてのピアノ教本」を出版しています。これは基礎の基礎から学ぶ教本で、これをやった後に「25の練習曲」で更に力を伸ばすようになっています。ブルグミュラーは、しっかりと生徒のことを考えて、段階的に教本を作っていったのですね。素晴らしいです!ブルグミュラーのこと、「25の練習曲」のこと、そして、日本でなぜこんなに人気なのか、その不思議が詰まっているこちらの本、おすすめです!

「25の練習曲」の各曲のタイトル

それでは、「25の練習曲」のそれぞれの曲名を見てみましょう。こちらは私の子供達が使っていた全音版の「もくじ」の写真です。今は曲名が微妙に変わっているものがあるのですね。曲名が変わっているのは以下です。3.パストラル(牧歌)4.小さなつどい7.清らかな小川8.優しく美しく9.狩 (かり)12.別れ13.コンソレーション(なぐさめ)14.シュタイヤー舞曲16.ちょっとした悲しみ17.おしゃべりさん18.気がかり21.天使の合唱22.バルカローレ(舟歌)23.再会25.乗馬あら、随分変わっているのですね。ブルグミュラーのことが少し分かってきたところで、もう一度「25の練習曲」を弾いてみたいと思います。

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35年間の中学音楽教師の経験を生かして、現在は吉岡裕美ミュージックスクールにて歌とピアノのレッスンをしています。
特に、音痴改善や大人初心者のピアノレッスンが好評です。
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また、30年間、大津少年少女合唱団の指導をしています。

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