坂本龍一さんの名曲「戦場のメリークリスマス」は「東洋と西洋の融合」とも言われ、今もその魅力を放っていますね。
この曲をピアノで弾いてみたい方もたくさんおられます。
それで、今回は初心者でも取り組める「戦場のメリークリスマス」のピアノ初級編の楽譜を3つ紹介し、弾き方を解説したいと思います。
楽譜は全て、すぐにダウンロードできるヤマハ「ぷりんと楽譜」から選んでいます。
どの楽譜を使うにしても共通することは、以下のようなことです。
●まずはゆっくりと、一音一音をはっきりと弾く。
●強弱記号にとらわれずに、どの音も強く弾いて練習する。
●タイのあるところは、リズムを正確にするために、まずはタイを除いて弾く。
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「戦場のメリークリスマス」ピアノ 入門~初級 〈イ短調〉
「戦場のクリスマス」は、原曲は変ロ短調で書かれています。
♭(フラット)が5つある調です。
ショパンの「子犬のワルツ」も♭が5つですが、こちらは変二長調です。
慣れたら大丈夫なのですが、初心者の時は、♭が5つもあったら見ただけでやる気が失せるかもしれませんね・・・。
それで、こちらの楽譜は初心者向けに、♯や♭がないイ短調で書かれています。
こちらの楽譜はA~Fの6つの部分に分けてありますので、それぞれについて説明しますね。
Aの部分
前奏はなく、すぐにメロディーが出てきます。
右手がメロディーで、左手はほとんどが1小節を1つの音で伸ばすようになっているので弾きやすいですね。
4小節目と8小節目は左手が2つの音になっていますが、途中で変えるのが難しかったら、まずは最初の音で4拍伸ばしましょう。
右手も2音になっていますが、難しい時は上の音だけでいいですよ。
弾き方の注意点は、ゆっくりと拍を取って弾きましょう。
知っている曲だから、つい速く弾きたくなりますが、4つの8分音符をまずは強く弾く練習をして粒を揃えましょう。
また次の2分音符は「1と2と」と数えてきちんと伸ばしてください。
Bの部分
右手は1オクターブ高くなり、左手は1小節に2つずつになります。
それで、Aより少し難しくなります。
でも左手は2つずつと言っても、ほとんど同じ音です。
左手だけを弾きながらメロディーを歌う練習をするといいですよ。
Cの部分
ここでは、右手部分にタイが出てきます。
タイというのは、同じ高さの音を結んで一つの音として伸ばす記号のことです。
そしてシンコペーションになっています。
シンコペーションというのは、従来の拍の感じが変わって、弱い拍が強く聞こえる状態になることです。
このタイやシンコペーションは拍をきちんと取って弾いていないと、訳が分からなくなります。
よく分からない時は、まずタイを取りましょう。
すると、1小節目は「タタタタタタンタ」(リズム読みで8分音符はタ、4分音符はタン)となります。
まずはタイを全部取って練習し、慣れたらタイを付けますが、その時、タイで結ばれた音を何となく伸ばすのではなくて「タタタタアタンタ」という風に、意識しましょう。
左手は2音を1小節伸ばすようになっています。
2つの音を同時に延ばすのが難しい人は、下の音だけで練習しましょう。
とりあえず最後まで行くために。
Dの部分
左手が4分音符で動くように書いてあります。
ここも最初からそうしていたらとても時間がかかるかも知れませんから、難しい場合は小節の頭の音で4拍伸ばしましょう。
E・Fの部分
ここでは、両手で4分音符を刻むようになります。
右手左手を同時に動かすので簡単にできるのではと思います。
速くならないように気をつけましょう。
「戦場のメリークリスマス」(ドレミふりがな&指番号つき) ピアノ 初級 〈イ短調〉
こちらの楽譜にはドレミも指番号もふってあるので、ドレミがさっと分からない方にはおすすめです。
戦場のメリークリスマス(ドレミふりがな&指番号つき) ピアノ 初級 イ短調
でも、メロディーは最初から1オクターブ高く書いてあります。
ドレミが書いてなくても大丈夫な方は、最初の楽譜の方がいいかも知れません。
これはA、B、Cの3つに分かれている簡単な楽譜です。
左手はA、Bともに、2音を4拍伸ばすようになっていて、Cではタンタンターーとゆっくりとしたアルペジオになっています。
「戦場のメリークリスマス」ピアノ 初級〈ロ短調〉
原曲は♭(フラット)が5つの変ロ短調ですが、弾きやすくするために、こちらの楽譜は半音高いロ短調(♯が2つ)で書いてあります。
こちらは前奏と後奏があるので、演奏会などでも使えそうですね。
前奏の部分は、8分の12になっています。
まずはゆっくりと粒を揃えて弾く練習をしましょう。
最初にピアニッシモの記号がありますが、指の練習の段階では全部フォルテで練習しましょう。
ゆっくりとフォルテで練習し、弾けるようになったら、なめらかに歌えるようにしましょう。
左手は和音を1小節弾くようになっています。
「ポロロン」とならないように、指の先を同時に鍵盤にあてて弾く練習をしましょう。
シンコペーションの部分は、上に書いているように、自信がなかったらまずタイを取って、拍を数えて弾いてください。
また、後半に、右手がずっと8分音符を刻むところがありますが、こういうところはつい速くなりがちなので、落ち着いてテンポをまもってください。
後奏の、左手がオクターブで連打するところも同じです。
まとめ
今回は、「戦場のメリークリスマス」のピアノ初級編の弾き方を、初心者の方も練習しやすいように説明してみました。
ご自分に合う楽譜を選んで、どうぞ「戦場のメリークリスマス」を楽しく練習してくださいね。
どの楽譜にも共通することですが、まずは一音一音をしっかりと粒を揃えて弾く練習をしましょう。
練習始めの時は強弱記号にはとらわれずにどの音も強く弾きましょう。
そうすると、だんだんとその曲想が感じられるようになり、「fと書いてあるからfで弾く」のではなく、そう弾きたくなってくると思います。
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